アトピーで肌が敏感なときに気を付けるべきスキンケアのポイントとは
肌が敏感になるアトピー性皮膚炎。症状がひどくなったり良くなったりするので、スキンケアのしかたに悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
アトピーの肌はどのような状態になっているのか。どのようなお手入れが必要なのか。今回は、アトピーで敏感になっている肌へのスキンケア方法についてご紹介します。
アトピー肌の人がスキンケア選びで気を付けたいこと
アトピー性皮膚炎とは、かゆみの強い状態が良くなったり悪くなったりを繰り返す、慢性的な湿疹です。アトピー素因の体質が発症の重要な原因とされています。しかし最近では、皮膚のバリア機能の低下や、食物、ダニ・ペットなどの各種アレルゲン、乾燥、ストレス、化学物質など、さまざまな環境因子が組み合わさって発症することも多くなっていると言われています。
アトピー性皮膚炎の人の肌は、そうでない人の肌と比べてカサカサしているという特徴があり、「アトピー皮膚」や「アトピックドライスキン」などと呼ばれます。このような肌は外からの刺激に弱く、普通の人の肌なら問題にならないような刺激にも過敏に反応してしまう、「敏感肌」の状態になっています。
肌になるべく強い刺激を与えないよう、
・爪はなるべく短く切っておく
・髪の毛が顔周りの肌を刺激しないようなヘアスタイルにする
・洋服や寝具の素材に気を遣う
といったことを心がけましょう。
また、メイクアップアイテムでも、UVカット効果のある下地クリームやリキッドタイプのファンデーション、クレンジング剤などは、肌へ強い刺激となることが多いので、注意しましょう。
アトピー性皮膚炎におけるスキンケアの重要性
アトピーで炎症がひどいときには、病院を受診して、医師の処方する医薬品を使用するのが第一です。ただ、アトピー性皮膚炎の人の肌は普段から乾燥していて、バリア機能が壊れているため、治療のためには症状がないときのスキンケアで、肌を健康な状態に近づけることが重要とされています。
アトピーのためのスキンケアでポイントとなるのは、清潔と保湿です。
肌が乾燥して荒れた状態になっていると、アレルギーを起こす物質(アレルゲン)が皮膚内に侵入して炎症を起こしやすくなるからです。アレルゲンの侵入を防ぐためには、皮膚に付いたアレルゲンを除くために肌を清潔に保つことと、肌の保湿ケアが必要になります。
保湿ケアでは、「肌から水分が出て行くのを防ぐ」ことと「肌の水分を保つ」ことの、2つを意識して行うことが大切です。
水分の喪失を防ぐには、脂質系の保湿剤で肌をコーティングするようにしましょう。肌の水分を保つには、尿素やセラミドなど、水分保持を助ける効果がある保湿剤を使うのも有効とされています。いずれにせよ、医師と相談しながらスキンケア方法を考えることが大切です。
アトピーに悩む方にお勧めのスキンケア方法
アトピー性皮膚炎では、まず肌を清潔にすることが大切になるので、毎日の入浴やシャワーは欠かせません。ただし、強い刺激はできるだけ避けるようにします。
石けんやシャンプーを使うのは1日1回までとし、洗浄力の強いものは使わないようにしましょう。泡立ちが良すぎるものや「薬用」と書かれているものには注意が必要です。
洗うときは強くこすってはいけません。一方向に泡を転がすように洗えば、肌への刺激を少なくできるので、試してみてください。石けん類は素早く、肌に残らないよう丁寧に流すことが大切です。
また、お湯の温度も熱すぎるのは禁物です。38℃程度の少しぬるめのお湯に浸かるようにしましょう。
入浴後はできるだけ早く保湿ケアを行いましょう。化粧水などで水分を補うのも効果的ですが、ワセリンや脂質性のクリームなどで肌をコーティングするようにします。植物性のオイルも乾燥を防ぐのによいとされています。
また、アトピーの皮膚は肌のセラミドが減少し、傷付きやすくなっていると言われています。そのため、保湿剤にはやはり、外からセラミドを補えるものがおすすめです。
保湿剤を塗るときも、強くこすらず、手のひらで優しく広げ、関節部分や耳や目の周りなども、丁寧に塗るようにしましょう。
まとめ
肌が敏感になっているときは、スキンケアアイテム選びにも悩みがちなもの。アトピー肌に人は医師の指示も仰ぎながら、保湿効果の高いものを使って、乾燥を防ぐことが大切です。また、塗り薬などを処方されている場合、スキンケアのどのタイミングで塗るかなど、薬によって違う可能性があるので医師に相談するのを忘れないようにしましょう。